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【ドキュメント72時間】中国がん専門病院 路地裏の貸し台所(中国のヤングケアラー問題、高額ながん治療費など中国社会の実情を見た)

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金曜日の夜の最大のお楽しみは、NHK「ドキュメント72時間」です。

あまり当ブログでは感想記事は書かないですが、今回だけは書かずにいられない!!!

今回72時間カメラがあった場所は中国・広西省南昌にある「広西省最大のがん専門病院」の近くにある「貸し台所」!!!

 

きっと想像以上に様々な人間ドラマを見させていただくことになりそうです・・・

 

出典引用:ドキュメント72時間HPより

 

 

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【ドキュメント72時間】中国がん専門病院 路地裏の貸し台所(中国のヤングケアラー問題、高額ながん治療費など中国社会の実情を見た)

病院のそばに貸し台所ってどうゆうこと?中国の病院は入院中「病院食」って出ないの?

まさかこの台所って、闘病中の家族に食事を作る場所なの!という事実を冒頭で聞き驚いたのは言うまでもない。

 

貸し台所は、元々揚げパン屋さんを営んでいた夫婦が20年前に「病院の家族に台所を貸した」ことがきっかけで、貸し台所屋さんを始めたそうです。

広さ三メートル、奥行きはそこそこ広い目、左側はIHクッキングヒーターと大きな中華鍋と様々な調味料が設置されている。ちなみに右側は野菜や肉を切ったりするスペースです。(食材は近くにある市場で激安で買えるそうな)

切って、焼いて作って大体一回200円かかるかどうかの激安価格で調理ができるという「入院費を少しでも抑えたい患者さんのご家族にはうってつけ」の調理場です。

(日本で貸し台所って聞いたことがないので、このシステムには脱帽!)

 

番組内には、美味しそうな家庭の中華料理(20歳の男の子が作っていた豚の煮物がおいしそうすぎたし、烏骨鶏のおかずも凄い!)がたくさん出てきますが、話しを聞いていると「抗がん剤治療に耐えるためにたんぱく質がたくさんあるフナや内臓を焼く」とか聞くと、「やっぱりここはがん患者さんのための貸し台所」であることを実感・・・

 

貸し台所を舞台に、日中の医療格差やヤングケアラー問題まで考え込んでしまうなんて思いませんでした

 

高額すぎる中国のがん治療問題

驚きました!

中国のがん治療は、中国の一人当たりの年収分に相当し、「がんになったことで貧乏になった!」というのも珍しくないのだなと痛感。

 

あるがん患者さんの治療費は200万越え!!

日本だと「高額医療費制度」を利用したら、「あれ!こんなに安いの!」と思うほど治療費が安いです。

ちなみに、私の知人が乳がんの治療(初期)を受けた際は、入院費込で約6万円だったそうです(がん保険などを使わずに!逆に申し訳ないほど安かった~と言うほど)

 

番組で出てきた調理をする人の中には「家族全員治療費を稼いでくれているから、患者である自分がご飯を作っているんだよ!おっとこれは夜に回しておかないと」と仰っている時点で、「中国でがんになる=家族総出で稼ぐ、面倒を診る」

 

ちなみに最近日本では、中国での高額ながん治療を避けるため、あえて日本に入国し「あるビザ」を利用し、日本の健康保険組合に加入し、安くて高品質な日本のがん治療を受けるというケースもあると聞いたこともあります・・・

 

10億人越えの人口、中国のがん患者数は世界一と呼ばれるほどなので、この番組を見ていると日本人の私ですら「がん検診受けよう」「保険見直さないと」と思うほどです

 

中国のヤングケアラー問題

特に心が痛くなったのが「中国のヤングケアラー問題」でした。

登場したのが、20歳の男の子、16歳の女の子、15歳の女の子でした。

ここに登場する若い子は全員ヤングケアラーで当然「仕事していない・学校へ通っていない」状況です。

 

料理もしたことがない女の子が、病気の祖父母のために懸命に料理しますが、アララ・・・な状況・・・それを助けてくれたのが20歳の元料理人の男の子でちゃっちゃっとおいしそうな中華を作っていました。

 

若いころから料理ができるのは「武器」になると思いつつも、若い子が家族のために仕事や学校に行かずに看病に徹するって同世代の日本人はできないだろうと思ったと同時に、「中国では社会福祉に頼るのではなく、何かあれば家族による自助」が求められるのだなと思いました。

だから、中国の高校生が北京大学を目指し「高考(日本で言う共通テスト)」を受けられる環境と言うのは本当にありがたい挑戦なのだなと痛感しました。

 

最後に登場した15歳の女の子は、がん患者の母親から料理の手ほどきを教えてもらっていますが、途中で女の子が泣いているんですよ・・・

もう母が間もなく亡くなることを理解しているのだな・・・自分がお嫁に行くときに母親から料理を教えてもらう場面ではなく、自分が亡くなるから料理くらいはちゃんとできるようになろうねという意味だと分かると胸が痛くて仕方がない・・・

 

ヤングケアラーという言葉で片づけるよりも、中国社会が親が倒れようが若者に勉強と仕事ができる環境を整えてあげてほしいと強く感じました。

 

最後に

がんの苦しさは患者さんご本人ではなく、そのご家族も同様に苦しいのだと感じました。

妻に本当の病気を伝えていない、亡くなった妻のためにこの貸し台所へ通っていた、嫁が卵巣がんでなんとかスープを食べてほしい・・・涙出ますね。

 

この貸し台所は、がん患者とその家族が病気と闘うための戦場であり、食べることで少しでも良くなってほしい、この台所に集まる家族たちは「がんと闘う同士」だという仲間意識が高くなってくるのではと感じました。(台所で会うたびにご家族はどう?お互いにしんどいよねとかって話をするのかなと・・・)

 

 

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