現在ドラマで放送中の「団地のふたり」の原作を読む機会がありました!
ドラマも楽しく鑑賞しつつ、小説の中のノエチとなっちゃんに早く会いたい気持ちで読み進めました!
※できるだけネタバレは避けつつも、少しネタバレがある部分がございます。この作品を未読の方はご注意を!
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【団地のふたり】原作本「団地のふたり」の感想ブログ
読んでいる最中は、完全にノエチ=小泉今日子さん、なっちゃん=小林聡美さんの声と動きで再生されていました(佐久間さんも由紀さおりさんモードで全開!)
原作のおかげで、ドラマではさらっと触れていたなっちゃんの「乗り物に乗れない問題」が深く読むことができました(なっちゃんが団地からほぼ離れずに過ごすのも理解できました)
ノエチとなっちゃんは、55歳を過ぎて常に仲良しではなく、程よい距離、喧嘩もすることがある二人を丁寧に描写していました(年を重ねたリアルな友達だけど、独身同士だからできるのだなと)
また二人の大事な友達、亡き空ちゃんの思い出を空ちゃんのお母さんと語る場面は良かったです。空ちゃんがいることで今でも二人のバランスもとれているんじゃないかなと感じましたよ。
空ちゃんはまだ団地内のどこかに住んでいるんじゃないかと思いましたね。
ノエちゃーん、なっちゃーんあーそぼとちょっと遠慮しながらくっついているかもしれませんね。
原作とドラマの相違点
1つ感じたのは、ドラマと原作本の「団地のふたり」はそれぞれの良い味が凄くにじみ出ています。
ドラマはドラマ、原作は原作という良さ。
ノエチとなっちゃんはもちろん原作にがっつりとでていますが、ドラマに出ている住民さんが原作に出てないケースもあるけれども、ドラマの中にしっかりと納まっているところが原作に対するリスペクトを感じました。
ご安心ください!「まつ」のホットケーキのシーンは出てきます!
文章で読んでいると本当に昔ながらのホットケーキって素朴でシュワっとした食感でホイップバターとメープルシロップがたまらんよなぁ~という気持ちにさせてくれます。
団地の高齢化・老朽化にも触れており、リアルな建て替えだけでなく、懐古的な部分もありました(昔は本当にきれいだったのよとか、駐輪場がギューギュー詰めで止めにくいとか)
年を重ねると何もできなくなるという事実や、50代の二人がまだまだ団地では若者というのも限界集落あるあるだなと・・・・(不思議とこの作品は団地の限界集落感はないです)
なっちゃんの「坊さんめし」で学ぶ部分(低収入でもやっていけそう)
昔は売れっ子だったなっちゃんは、今や仕事も激減し住人から「コレ売れないかな?」と不用品をフリマアプリで売る日々です。(フリマの売り上げは出品者と折半)
正直言って「ちょっと不安定な低収入の部類」に入りますが、日々を送っています。
でもね、なっちゃんのライフスタイルを見ていると50歳過ぎても低収入でやっていけるんじゃないか?と思うんですよね。
(100均で販売している「ひろし」というふりかけでおにぎりを作り、野菜料理を作っている)
・ご近所に住む住人さんに網戸の修理をお願いされる(一回につき1000円の御礼とピザが食べられる)
・お取り寄せの野菜はノエチにおすそ分けするほどたくさん入っている
・ノエチは時々美味しいフルーツサンド等を買ってきてくれる
・静岡に介護帰省しているお母さんから、季節の品が贈られることもある
50代に入ると特に独り身の女性は稼ぎにくい環境にあります。
若い頃と比べ体力と求人も減少傾向になり、収入が細々となるので家計をサイズダウンしないといけないです。
なっちゃんの場合は、おそらくですが、一人分+ノエチの分の食費、光熱費、ちょっとした被服費、フリマアプリで発送の際使う梱包材やイラストの仕事で使う文房具代程度かなと思います。
重要なことは収入が細々となったとしても「気の置けない友達」「子供のころから知っているご近所さん」とのネットワークを持続させることで、なっちゃんは団地内で孤立せずに、それほどお金がなくても生きていくことができるのでは?と思いました。
結局、お金も大事だけれども「人」も大事なのですね。
なっちゃんだけではなく、ノエチも同様の経済状況かもしれません。(ノエチの場合は光熱費は親もちだけど、幾分かは家にお金はいれていると信じよう)
ノエチの職業は、団地から遠い大学で非常勤講師をしています。
大学の非常勤講師の収入は1コマでいくらという換算ですので、皆様が思っているほど稼いでいる仕事ではありません。
(ちなみに私の母校の非常勤講師の1コマ当たりの収入は10000円です。博士号まで取得しているのにこの収入は安い!)
ノエチは定職にはついているけれども、「来年どうなっているのかわからない不安定な立場」なので、将来的に二人で「なんでも屋さん」を開業するのもいいかもしれませんね!
古い団地だけどオアシスに見えてくる
佐久間さんが団地の共同菜園で育てているハーブや野菜(無農薬でおいしそう!)、ノエチとなっちゃんがベランダでゆっくりとコーヒーを嗜んでいるシーン、棟と棟の間がかなり広々と取られています。
普通のマンションやタワマンにはない広々とした解放感があったり、自然を嗜むこともできたりと団地ってマジでオアシスなんじゃない?と思いましたよ。
住民同士のマウンティングも何もない、ここの団地は治安と民度の高さが良いおかげで、団地の皆さんは「ここ」から離れないのだなと思いました。
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